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意外と奥が深い まちづくりマルシェ論② 〜豊北町のマルシェに見るそれぞれの特徴(角島マルシェ)

INDEX

  1. 角島マルシェ MUSiC Fes. to MARKET
    1. 角島マルシェ「MUSiC Fes. to MARKET の概要
    2. 角島マルシェ「MUSiC Fes. to MARKET の開催状況

前回の記事では、日本の地方における「マルシェ」の立ち位置的な部分について、データや憶測をもとに勝手に考察してみました。

前回の記事はコチラ↓

意外と奥が深い まちづくりマルシェ論① 〜なぜわたしたちはマルシェをするのか

今回は実際に今シーズン豊北町で関わったマルシェを例に、それぞれに表れていた特徴を整理し、今後の豊北町でのマルシェの取り組みかたについて考えていきたいと思います。

※ それぞれのマルシェの紹介が長くなっちゃいましたので、イベントごとに別々の記事にしたいと思います

角島マルシェ MUSiC Fes. to MARKET

まずは 2023年9月23日(土) に角島で開催された 角島マルシェMUSiC Fes. to MARKET」です。

角島マルシェ「MUSiC Fes. to MARKET の概要

この企画のスタートは、町内のお寺の、元ミュージシャンの住職

音楽をテーマにしたイベントやりたい

と 豊北地区まちづくり協議会 に話してくださったことだったと聞いています。

豊北地区まちづくり協議会の圧倒的ないいところは、「それ面白いね!」ってなった瞬間からのダッシュ力です。
それから数日で、ざっくりした内容から、会場から、フライヤーの叩き台までできあがっているというスピード感、勢いには身内ながら毎回驚かされます。

スタートダッシュがすごすぎる分、司会や進行は本番で出たトコ勝負!ってことも多いのがまた面白いんですけどね。

そんなわけでバババッと決定した、角島マルシェ「MUSiC Fes. to MARKET」のコンセプトは以下のとおりです。

  • 9月23日(土)角島の中心しおかぜの里」の駐車場で開催
  • 出店を会場に円形に設置
  • 出店者は半分が地域のひと半分がキッチンカーのイメージ
  • 会場中央にラジオスタジオ的なブースを設置、会場で流すBGMのリクエストを受け付けて流す
  • 夕方にワインを無料配布してサンセットを楽しむ

なんだかちょっとこれまで豊北町にはなかったスタイルのマルシェのイメージです。

会場も豊北町を代表する観光地、年間100万人が訪れる 角島 ってこともあって、来場者のターゲットはどちらかというと観光客に設定されています。

角島マルシェ「MUSiC Fes. to MARKET の開催状況

天候

当日の最も強かった印象は「とにかく風が強い」!
角島は離島で、会場となった しおかぜの里 も、角島の中央の、陸地が最もくびれた部分でしたから、風をかわす山や丘のような地形がなく、吹きっさらし状態でした。

スタッフもある程度それは警戒していて、テントが飛ばされないよう土嚢を準備したりしていたのですが、ショップの看板は飛ぶ、商品は飛ぶ、チラシなどの紙類は全て飛ぶ!という状況は、少なからずスタッフ・出店者・来場者に共通してストレスになっていたようでした。

天候ばかりはわたしたちにどうすることもできない要素なのですが、リスクを最小化できる計画や準備は今後大切になりそうです。
例えば今回、風は強かったものの雨は降らず、気温も温かかったのは幸いでしたが、もし雨が降った場合はどういう対応をするか、というところは事前にしっかり詰めておいたほうがいいですね。

来場者

イベント自体の来場者は非常に多くて、開始から夕方まで大盛況という雰囲気でした。
観光客の方が多く立ち寄るお土産屋さんや食堂のある場所なので、ついでにひやかしにきたという雰囲気の方もあり、そこはまさに思惑どおり。

一方で、地元の方も多く訪れていたのも印象的でした。
休日の過ごし方のネタに乏しい田舎でこういうイベントがあると、アクティブな家族はとても喜んでくれますね。買い物をしたり、食べ物をちょっと買って食べたり、思い思いの過ごしかたをされていました。

観光の途中で立ち寄ったという人と比較すると、やっぱり地元の人の方がゆっくり滞在してくれているという印象でしたね。
時間のしばりがないですし、知り合いに出会っておしゃべりしたり、顔見知りのスタッフと交流したり、観光客とは異なる楽しみ方があるのも地域のマルシェの魅力なんだな…と再確認しました。

イベント

オンラインでメッセージを添えてBGMがリクエストできるシステムを事前に準備していたことで、当日現地に来ることはできないけれども角島マルシェを応援しているという方からメッセージをもらえて、それを当日ラジオ番組のように紹介できたというのは画期的でした。

逆にイベントの様子をSNSのライブ配信で、当日現地に来られない方に向けて発信できないか試みたのですが、ネット回線の都合でうまくいかず、まちづくり協議会で契約しているiPhoneのキャリア回線を使用したところ、データ使用量がオーバーしてしまい、その日以降は通信速度制限を喰らって作業効率が最悪になるという事態に陥ってしまいました。

拠点となる施設のネットワークインフラ・Wifi環境って、今の時代意外と大切だなと痛感しました。

角島の観光客の皆さんって、山口県内各地や福岡・広島から車で来られる方も多いので、割と早めに帰路につく方が多いんですよね。そのため サンセット・ワイン のイベントは時間を前倒しして行うことになりました。

夕方が近づくにつれ、しおかぜの里に入ってくる車の台数も少なくなってくるし、そこからマルシェ会場の方に足を向けてくれる人の割合も減少するので、お土産屋やトイレのある建物の前でワイン(あるいはグレープジュース)の無料配布を呼びかけて集客し、会場のみんなで

ルネッサァ〜ンス

と声を合わせて乾杯します。
サンセットを楽しみながらの乾杯とはなりませんでしたが、基本的に集まってくれるお客さんはやさしい。全員に飲み物とおつまみが配られるまで待ってくれるし、乾杯にも付き合ってくれます
わたしは個人的に、こういう場に偶然居合わせただけの人が同じ行動をすることで不思議な一体感を味わう感じが大好きなので、参加者を巻き込むイベントはガンガン計画していきたいですね。

結局、9月はまだ日が長かったので、前倒しした分早く終わったマルシェの片付けをしている途中で、スタッフだけで美しいサンセットに立ち会うことができました。

出店

このイベントでは、地域からの出店は BBQ焼きとうもろこし を売っている人や、シーグラスのアクセサリー、JRの電車内に忘れられ、落とし主が現れなかったカサを引き取ってきて売っている人など、バラエティも豊かでユニークなお店がたくさんありました。ヴィーガン料理もあったり、大学生のサークルによる綿菓子屋さん、ヘッドスパを出店している人もいました。

キッチンカーは、町内から旧下関市内、山口県内の様々な人気店がやってきてくれました。ハンバーガーカフェメニューなど、日頃はそれぞれの場所で営業しているキッチンカーが集合していると、それだけですでにものすごい価値を感じます。デパートの「北海道フェア」みたいな

来場者の比率も観光客が多かった感じだったので、どうしても見た目にもパッと目を引くキッチンカーの方が賑わっている印象を受けました。
雨天のことも考えると、地域の出店者はいわゆる「運動会テント」の下で長机を並べて出店するスタイルになってしまうのは仕方のないところだったのかもしれませんが、例えば まち協でいくつか自作して持っている、簡易の 欧風マルシェ的 な屋台があるので、それを作成するワークショップなんかも事前に行ったりすると、出店者も収穫のあるイベントになりそうですね。

 

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角島マルシェ MUSiC Fes. to MARKET の全てを説明するともっともっと時間がかかっちゃうのと、実はこの記事を作成しながら気づいた大人の事情などもあって、このくらいにしておきます。

なんにしても、大成功!となりました。

次の記事では、「二見みなとマルシェ」を紹介します。↓

意外と奥が深い まちづくりマルシェ論③ 〜豊北町のマルシェに見るそれぞれの特徴(二見みなとマルシェ)