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留学のススメ 留学経験者の話を聴いて再確認した「コンテンツ」の重要性

INDEX

    1. 言語は あくまでも「ツール」
    2. 留学の「目的」と「目標」を混同しないこと
    3. まちづくりへの応用

先日、ウチの大学の国際交流センターが主催する「グローバル キャリアの道」っていうオンランイベントで、わたしもよく知っている卒業生が講演するっていうので、仕事終わりの帰り道に入室して、”耳だけ参加” させてもらいました。

この卒業生は、10年以上前、わたしが国際交流センターに配属になった年に、1年間のアメリカでの派遣留学から帰国し、「留学体験発表会」で派遣留学について体験談を発表してくれた学生でした。

当時は iPad というものが世の中に出たばかりの頃だったのですが、彼は iPad を使って Mac を操作しプレゼンを行うという、スティーブ・ジョブズしかやってないだろ!っていう離れ業を下関でやってのけ、わたしは度肝を抜かれたという想い出があります。

そんな彼はもちろん卒業後も世界を股にかけて活躍し、今回自身の「グローバルなキャリア」を紹介してくれたわけですが、わたしは残念ながら時間の都合で、十数分しか講演を聴くことができませんでした。

しかも卒業後のキャリアに関する部分はほとんど聴けず、主に留学を振り返って…の部分を中心に聴くことになったのですが、さすがわたしの度肝を抜いた元・学生。非常に大切なことを、これから留学を考えている現役の学生たち、つまり彼の後輩たちに伝えてくれていました。

言語は あくまでも「ツール」

派遣留学(交換留学)にこれから1年間臨むぞ!っていう大学生は、この留学期間中に

語学を身につけること

に集中しがちです。あなたが今度、海外に1年間留学することになりました、とすると、

とにかく早く語学のスキルを上げて、現地の人とコミュニケーションがとれるようになりたい!

…と、留学開始前から前のめりになって鼻息をフンフン言わせがち。

ただし、あなたがコミュニケーションをとりたいと思っている現地の人にとっては、言葉が話せることは大前提、当たり前なんですよね。

彼らはあなたがどれだけ上手に言葉を話すか、ではなくて、言葉を使って表現される、あなたから発信される「コンテンツ」に興味があるわけなんです。

だからあなたの話すネタが面白くなければ、現地の人とはいつまでたっても仲良くなれないし、友達もできません。

海外から日本に来ている留学生、

① すごく日本語は流暢なんだけど、天気の話と日本語の文法の話しかしない

② 日本語はブロークンだけど、自分の国の話や日本に来て面白いと感じたことをメッチャ話してくる

さぁ、どっちの留学生と仲良くしたいですか?

コミュニケーション能力って、言語を操る能力のことではない、ってことを忘れてはいけませんね。

留学の「目的」と「目標」を混同しないこと

「目的」と「目標」の違いを分かりやすく表現した、有名な旧・Twitterの投稿がありますよね。

RPGゲームをするプレイヤー目線では、魔王を倒すことが「(ゲームの)目的」なんですが、

勇者の立場に立ってみれば、魔王を倒すことは「目標」なんですよね。

「なんで魔王を倒すんですか?」って質問に対して、勇者は

魔王を倒すことで世界に平和が訪れるからです」と答えるでしょう。「平和な世界」が勇者の「目的」だからです。

さっきの「言語はあくまでもツール」って話とも関連しますが、「外国語が話せるようになること」を目的に設定してはいけません。

その先にある本当の目的のために、外国語をマスターすることがひとつの「目標」となるはずなんです。

外資系メーカーで研究開発の仕事につきたい
インバウンドツアーのアテンドをしたい

そういう「目的」もなく、

「英語ペラペラなったら格好いいんじゃね?知らんけど

ってノリで留学するのは非常にもったいない…! 英語ペラペラで中身ペラペラな人間になってどうするの…とオィさんは心配になってしまいます。

ただ、ただね!

中には、目的も目標もなく、なんとなく海外に飛び出してみたら、なんか色々発見があって、あれもやりたいこれも挑戦したい、って気持ちがムクムク出てきて、海外ボランティアするために外国の大学院に進学したいと考え始めました。みたいな学生もたまにいます。

で、逆に、「わたしにはこれしかない!」ってガッチガチの将来ビジョン掲げて留学したものの、思ってたより現実は厳しくて、すっかり打ちひしがれて途中でギブアップしちゃいました。ってこともありえます。

だから、「一度決めた目的を果たすまで諦めてはいけない」とか、「目的持たぬもの留学するべからず」とかって話じゃなく、

せっかく留学するんだから、その経験を自分の将来にどう生かすかな…ってことはその時その時でしっかり考えようね、って話です。その時に、「アレッ?目標?? 目的??」って分からなくなりそうだったら、勇者と魔王の話を思い出してみてください。

まちづくりへの応用

と、いうわけで、留学に端を発する「グローバル・キャリア」の講演を聴きながら、

まちづくりにも様々なツール的要素があるけれど、大切なのはそのツールの性能とか新しさじゃなくて、それらを使ってどんなコンテンツを作っていくのか、ってことだな…と考えたり、

イベントを開催することが目的になっていないか?その先にある本来の目的は「移住促進?」「高齢者の楽しみ?」「インフラ改善?」ってアプローチができてるか?…って再確認したり、

そういうことにも想いが膨らんだ、ってお話でした。

ウチの大学の各部署が主催している様々なイベント、参加者がなかなか集まらないんだけど、内容はすごくためになるものが多いから、学生の皆さんも、学外の皆さんを参加対象としているものについては学外の皆さんも、お誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください!