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猟友会の巻き猟に参加しました。雪の降る中耐え忍ぶ…獲物への飽くなき執着…そして…‼︎

久し振りの猟友会の巻狩りへの参加となりました。

集合ォ… …エッなんかヒト少なくないッスか?

この日は上空に寒波が留まっていて、いつにもまして寒く、ベテランハンターさん方には堪える天候でした。そのうえ、前日の巻狩りで80kg級のイノシシが獲れて肉の分け前もタップリあったようで、

皆のォ「肉はもう良ェわ」っちゅーて来んのんいィや!

と冗談が飛び交う中、それでも集まった人数でやるよ、ってワケで出発前の打ち合わせが行われました。

午前中1ヶ所目、谷を駆け下りてくる、登ってくる獲物を狙え!

最初の山で私が配置されたのは、山の小さな谷状の地形のなっている場所です。地元では特に高齢の方が「エキ」と言っている地形だと思うのですが、日頃先輩ハンターとの会話はニュアンスでコミュニケーションしているのでよく分かってません…。

こんな所です。ココを向こうから駆け下りてくる獲物や、

反対の山から追い立てられてココに駆け上がって来る獲物を狙います。
木の幹に寄りかかるようにして、小さな折りたたみ椅子を出して座っていますが、雪が降っていて、時折風を伴って横から吹き付けるのでたまりません。

手袋をしていますが、指先がかじかんでくるし、5本指ソックスに安全スパイク地下足袋の足元もジンジンしています。犬の鈴の音や無線で情報が入らない限りは、腕組みをしたり膝の裏に手を挟んだりして、手がかじかんでしまわないように注意します。足の指もグッパ、グッパと握ったり緩めたりを繰り返してできるだけ血流を送っています。

しかし寒い!

集合時にも先輩ハンターと「ワシらはまだマシなんじゃろーのォ、もっと寒い地方じゃ雪が積もる中で猟しよるほもおるじゃろーけぇのォ!」と話したコトを思い出しています。そんな中で自撮りしたのが冒頭のアイキャッチ画像です。

同期の若手猟師の犬がカランカランカラーンと近づいて来るな…と思っていたらすぐ側まで来ちゃいました。農場でみんなで可愛がって育てているそうで、人が好きなのだとか。

結局、1時間半くらい寒さに耐えましたが、獲物の姿すら見ず、空振りか…と再び集合です。
今回入った山は、

自治会の山を切り分ける。毎年の作業で考えること(2018.1.6)

で記事にした、私の自宅のある自治会所有の山が含まれている山だったので、ぜひ獲りたかったですけど、残念…と思いつつ集合場所に着いたら、同じ山の反対側でシカが1頭獲れてました。銃声に気づきませんでした。

午後1ヶ所目、獣道を使って通過する獲物を止めろ!

昼食休憩を挟んで、午後は車を降りてから10分くらい山道を歩き、少し拓けた場所に配置されました。かつては人が生活していたのか、田んぼか畑があったのか、沢に沿って石垣のように護岸されています。

上の写真の奥に、左右に分かりやすい獣道がついています。ここを使用して猟犬から逃れようとする獲物を狙います。

真っ正面はこんな感じ。石垣の向こうが奥行き10mくらいの広場になっていて、その奥の木が生え始めている辺り、山との境目に沿って獣道がついています。獣道の側にヌタ場もありますが、この数日は使用されてなさそうです。

正面の木が邪魔だったので沢を渡って広場側に移動し、振り返ったところ。
獣道には近くなりますが、ちょっと目立ち過ぎるかな…。大きめの木の側に椅子を設置します。
今回は長靴に履き替えました。地下足袋よりはなんとなく熱を奪われにくい感じがします。

この山も、全く犬が反応しません。
実はここまで歩いて来る途中に、シカの群れを目撃していたのですが、移動中は弾丸を装填していないので、アッ…!アッ!!って言ってる間に逃げられ、私たち一行は誰も射撃に間に合いませんでした。
そのシカすら見つかりません。

無線で先輩ハンターらが「おかしいのォ〜」「おるハズなんじゃがのォ〜」と声を掛け合っています。
「こんな寒い日は、イノシシやシカは風を避けて群れで固まって寝ているハズ」と言っています。
「風が当たるようなところにはおらんよ」だそうです。その場所さえ突き止めれば、ワッと獲物が飛び出すモンなのだそうですが…この山は違うようです。

再び集合場所に戻ります。

集合場所でのハンター会議(先輩ハンターの相談)が始まる

集合場所では、午前中のシカ1頭をジビエセンターに持って行って今日は終わりにするか、という雰囲気になっていました。

…が、勢子が1人戻って来ていません。隣町の猟友会長です。
「ありゃ諦めん男じゃけぇの、モノが出るまで探すほぃや」
と皆が苦笑いして話しています。

しばらく待つとその猟友会長が戻って来て、先輩ハンターとなにやら相談をしています。
先輩ハンターたちの「ヤレヤレ…」という雰囲気が変化し、だんだん「やるぞオーラ」が湧いてくるのが見えました。この人たちは「猟をやるぞ」となったらモードが切り変わるようにパワーが溢れてきます。“すげぇ爺さん”たちだな、といつも思います。

諦めきれない隣町の猟友会長が「もう1ヶ所行こう!」と提案し、皆がそれにのりました。
先輩ハンターの1人が手を叩いて「おっしゃ皆、行くど〜!」と大きな声で呼びかけ、ガタガタとそれぞれの軽トラに乗り込んで行きます。

私たち若手は急激な状況変化について行けてなくて、「エッ、エッ、誰についてったら良ェんスか!?」と大慌てです。

皆で行くど!

どうやら全員同じところから入るようです。
こんなコトは始めてです。

午後2ヶ所目、来たヤツを撃て

比較的小さな山に着きました。
シガキ(=「待ち」「タツマ」)も勢子も、猟犬も、皆で列をなして山道を進みます。
なんだか一体感を感じます。

シガキをひとりずつ配置しながら進み、展開するようです。
私は最初に配置されました。技術も浅いので、最も裾で、猟犬の追跡もシガキも掻い潜っていよいよ抜け出してくれば、ソレを止めろ、というポジションです。

次のシガキが配置される方向を確認して、沢を渡って山の斜面に位置を決めます。

銃カバーを外してたたみ、バッグに入れ…

弾丸を装填して安全装置とダットサイトの確認…

すると準備が整ったところで落ち着いたのか少々催しまして…山の神様に失礼しつつ斜面を向いてゴソゴソしていると…

ワンワンワン!

(エッ近ッ!! 起こした??、エッどうすんのワワワワワ!!)

ッパーン!

パンパーン!!

(ゥワ3発鳴った!! 近いッて!逃した??シカ?シシ?? 来るかコッチ!?)

無線:「やったどー」

オォー早技!! 犬と同時だったのと、無線の声から、こりゃ隣町の猟友会長です。
すげェな、本当に意地で仕留めましたね。
獲物はイノシシのメス2頭!!しかも2頭ともかなり大きいようです。無線では70〜80kgあろうぞと言っています。

それから10分くらいだったでしょうか、もう止めよう、ということになりました。
超短期決戦でしたね。

猟友会長による捕獲の瞬間の証言

ロープを持って猟友会長のところまで山を登ると、ウォッ確かに70kgはありそうなイノシシが2頭、並んで横たわっています。

猟友会長によると、猟犬が近くの茂みの方を向いて吠え、反応したウリ坊が飛び出してきたそうです。猟友会長はウリ坊に向かって1発発砲しましたが失中しました。

すると続けて茂みの中からこの大きなイノシシたちが2頭いっぺんにブーブーいいながら飛び出してきたので「タンターン!!」とやったとのことでした。独特の表現でサラリと話されてますが、やってるコトはすごいです。ライフルで2頭とも耳の後ろ辺りを撃ち抜かれていました。完璧な仕事です。

2組に分かれて1頭ずつ引きずって山を下ります。
私は途中まで先輩ハンターと1頭のイノシシにそれぞれのロープを掛けて2人がかりで引っ張っていました。
進行方向の左側が割と旧な山の斜面で、前を進む先輩が左肩にロープを掛けて引っ張っていたので私は右肩にロープを掛けて引っ張っていたのですが、だんだん道幅が狭まり、先輩のロープが私の右上腕をグイグイ押します。

ちょ、オマ…

なんて言うヒマもなく、斜面側にグイグイ押された私、左足を踏み出したら地面がありませんでした。

オワッ…

頭をぶつけないようにロープを持ったまま上半身を丸めて倒れ込んだところ、脚が美しい弧を描き、眼にはさっきまで雪が降っていたとは思えない、この時期珍しい青空が映って、次の瞬間には斜面の一段低いところに立っていました。

「なァんしよんほかオマエはァ…‼︎ロープの右側におらんかい!」

と、全くの笑いもなく叱責だけされ、再びロープを引くハメになりました。

オレ今シシ引きながら前の人のロープに押されて脚踏み外して後ろ回りに一回転してシレッと立ったんスけど、面白ォなかったッスか…⁇

ちょいと自信なくした瞬間でした。

かくして本日も無事に獲物を獲得して、意気揚々と解体場に向かいます。

【グロ注意】解体場の様子

今回の獲物はこんな感じです。メスのイノシシ2頭。今期トップクラスに脂のってそうです。

毛を取り除いて解体してみると、良ェ感じに脂のってます!
昨日より良ェんじゃないか?こりゃ最高じゃ という声が聞こえます。

半身を取ってみたらこんな感じ。やさしそうな肉ですよ。見るからに旨そう…‼︎

今日は人数も少なかったので分け前も山盛りでした。
持ち帰ってとりあえずキッチンに並べたらこんな感じに…‼︎

モラナイフの刃渡りが10.4cmですからね…。
7〜8kgくらいあったんじゃないかしら。レジ袋の取っ手がミョーン!!伸びてましたもんね…。

たまにしか参加できない巻狩りですが、偶然当たり日でした。ラッキー!
上等な肉で何作ろう…!!

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