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無名な当サイトだからコッソリ言える、粟野川の「川の幸」!?

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    1. モクズガニ
    2. シロウオ
    3. その他の粟野川の「川の幸」

下関市役所に勤める幼馴染みが紹介してくれて、2022年度 わたしは、下関市の「まちづくり構想検討委員会」という会議にオブザーバーとして出席させていただいてます。

その委員会の中で、レクチャーをされた講師の先生が、イタリアのシチリア島で「ママンの料理」を楽しめるツアーに参加した際のお話をされていたんですが、これがかなり興味深く、これからの豊北町・下関市でのまちづくりの参考になるな…と思ったので、備忘録的に紹介します。

「ママンの料理」とは、シチリア島で一般のご家庭にお邪魔して、そこの家庭料理を家族と一緒に作って、食べて、交流して…という体験ができるツアーです。

講師の先生は、写真で見る限り底抜けに明るそうな、イタリアの肝っ玉母さんといった感じのママンと、パスタを作って食べていました。

パスタを作る工程も、まず「隣の畑に行って野菜を採ってきてちょうだい」から始まるわけです。

映画「ゴッドファーザー」で観たような、カラッカラで何も遮るもののない真っ青な空と、漆喰のような質感の白い壁と、色褪せた赤茶色い家根に囲まれた家庭菜園で、はじけんばかりの真っ赤なトマトを収穫してくる。

そしてレストランではまず見ることのできない調理器具や調理方法で、ママンにアレコレ言われながらパスタを一緒に作り、みんなで食卓を囲んで現地スタイルの食事を、カルチャーも含めて楽しむ

美味いにきまってます!それに、ただ「美味い」だけではない、それ以上の価値のある経験ができますね。

ちなみにレクチャーの後に、下関や、出席者の居住地域で、こんな風に楽しめる食や魅力はあるか?という講師からの問いかけに対し、豊北町出身の下関市役所職員、地元の名物熱血男・ケイゴさんはこう即答しました。

 

「粟野川ですね」

 

エッ 川⁉︎

豊北町に住んでいない方にとっては驚きのチョイスです。

豊北町に住んでいたとしても、「川の幸」を楽しんでいる人は少ないと思います。

豊北町といえば、まず地域ブランド・特牛イカをはじめとした海の幸、そして「田耕」という地名もあるぐらい盛んな米作りや、大小さまざまな農園が存在する野菜、ジビエなど「山の幸」はあれど、「川の幸」ってなんでしょう?

ケイゴさんが挙げたのは、

  • モクズガニ
  • シロウオ
  • アユ
  • ウナギ
  • スッポン
  • テナガエビ

でした。これに後でわたしが耳打ちした「青のり」も粟野川の「川の幸」です。

粟野川の青のりは、かつてテレビ番組「どっちの料理ショー」の「お好み焼き vs たこ焼き」の回で、究極の食材として取り上げられたことがあるんですよ。

最近は水温や水質等の環境で収穫量が減少していて心配されていますが、豊北町民は炊き立てアツアツの白ごはんに、炙った粟野川の青のりを載せて、加藤の醤油をかけて食べると、「あぁ、春がきたな」という実感が湧くというものです。そう、青のりは最高のゴハンの友なんですよ。

そして特に紹介したいのは上記リストのトップふたつに挙がっている モクズガニシロウオ

これらは最近の角島・豊北町の人気を考えると、確かにもっと注目されてもいいんじゃないかと思う、隠れた名物です。

モクズガニ

モクズガニはいわゆる「上海ガニ」と同じ種類のカニで、味も絶品 だそうです

というのも、実はわたしはモクズガニを食べたことがないからなんです。

子どもの頃、実家の目の前の川でよく獲れていたんですが、近所のオィサンらが集会所の裏で、川から運んできたバケツのまんま、洗ったり処理したりせずに生きたカニを網に載せて焼いて、しゃぶりつくように食べているのを見て、子どもゴコロに「ゲー、気持ち悪ゥい…‼︎」と思ってしまって、以来一度も口に運ぶことなく生きてきました。

でもオィサンら曰く、「コレより美味いモンはないぞシン…!」だそうです。

漁業権があれば捕獲でき、市場に卸すこともできるそうです。

シロウオ

よく「シラウオ」と混同されるのですが、シロウオはスズキ目ハゼ科の魚で漢字表記は「素魚」なのに対し、シラウオはキュウリウオ目シラウオ科の魚で、漢字ではこちらを「白魚」と書くのでややこしいのですが、全く別の魚です。

粟野川河口の汽水域では、春になると 青のり だけでなく シロウオ も獲れるため、「しろうお・青のり祭り」というイベントが開催されるぐらい、地域をあげて盛り上がります。

ちなみに、シロウオの食べ方と言ったら「踊り食い」が有名です。生きたままのシロウオを酢醤油に泳がせ、口の中に放り込むという、最もフレッシュな味わい方ですが、苦手な人は苦手ですね。

なにを隠そう、このわたしも、踊り食いはあまり気がすすみません。おそらく1回だけ、モノは試しに程度にトライしたことがある程度です。

でもこれも、モクズガニと同様に熱狂的なファンが多く、春の風物詩として大切にされています。

その他の粟野川の「川の幸」

アユやウナギ、スッポンは他にも有名な地域はありますし、食べ方も特別なものではないので、「獲れますよ」、という程度かもしれませんが、そもそも「天然アユ」「天然ウナギ」「スッポン」がそこらへんで獲れるっていう環境はすごいことです。

また、テナガエビはアユなどに比べるとマイナーで、これはあまり前面に押し出すイメージのものではないかもしれません。素揚げや塩茹でで食べるそうですが、わたしも食べたことないですし…

でも粟野川の立派な幸です。

しかし、1本の川からこんなにたくさんの恵みを受けることができるっていうのは改めて考えるとすごいですね。

個人的には、川の幸を求めて大勢が押し寄せるような展開は、なんとなくあまり望ましくない気がします。乱獲とか、生態系の破壊につながるのではないか…と勝手に心配してしまいます。

本当に自然を大切にしている人だけが知っていて、ありがたくいただく食材として守っていけるといいな、と思うのですが、ウーン、「いかにも人間らしい手前勝手な考えだな」と言われてしまうでしょうか。