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親父とミッション。道路にハミ出した雑木を伐採せよ!

ポカポカ土曜日、いつもなら1日中息子の子守りをするハズですが、今日は実家で母が面倒を見といてくれると言います。

エー、そんなら神経痛の調子も良いし、久しぶりにリハビリ兼ねて出猟したい〜! と言うより0.5秒早く母が切り出します。

「お父さんと、山の木を切りに行って来て!」

なるほどな、タダで旨い話はないですな。

作業着に着替えて支度です。

チェンソーが非力で…

私はドイツ STIHL社の MS171というコンパクトなチェンソーを使用しています。エンジンの排気量は約30ccで、本来は庭木の剪定とか、伐倒した木の枝を落とすとか、そういう用途で使用するのに適したサイズだと(今では)思っています。

なんで「(今では)」とカッコで括る必要があったかというと、そもそも当初は、薪ストーブにくべる薪を作るために必要な木を、山で伐倒することを目的として購入したものだったからです。
祖父が所有していて、父に引き継がれた我が家の山に初めて入り、ヒノキを切り倒したトキ、このチェンソーでは不十分だったか…と痛感しました。

いずれ薪割りをして薪にするような太い木の幹に、ガンガン受け口を切って、ガンガン追い口を進めていくためには、60ccくらいの排気量と、40〜45cmくらいの長さのガイドバーが必要だったかな…と、私の置かれている状況では、思います。

慣れないから、大きなチェンソーでは疲れてしまうかな…と思ったのですが、コレは私の用途では全く逆で、伐倒するにも玉切りするにも、非力で軽量なチェンソーでは、かえって疲れます。ある程度のパワーと重量があれば、例えば玉切りする際も、チェンソーの自重で切れていく感覚があると思いますが、軽量である場合、どうしても腕力頼りになる場面があるからです。切断する木の置き方や、テコの原理の応用などで、段々習熟していくテクニックもあるでしょうけど…。

チェンソーが気まぐれで…

かつてSRという単車に乗っていたコトがあります。エンジンをかけるトキはキックスタートで、少しコツのいる作業は、うまくいかないとなかなかエンジンをかけるコトができず、まるで単車とのコミュニケーションをしているようで、機械に人間らしさや愛着を与えてくれる儀式でした。

私のこのMS171は、スターターロープをグイン!と引っ張って始動させる、小型のエンジンを搭載した機械によくあるタイプの指導方式です。

草刈機などでもよく見かけますが、よくこの手のエンジンにはパージポンプがついていて、エンジンを始動する前にスポイトのような部品をシュポシュポ押すコトで、エンジンに少量の燃料を送り、エンジンがかかりやすいような装置があるのですが、このモデルにはついていません。

エンジン始動にはとにかくパワー勝負。鬼の勢いでスターターロープを引っ張り、かからなければ何度も繰り返し、100回や200回引っ張りまくるコトもあります。途中で疑心暗鬼になり、プラグを磨いてみたり、チェーンを一旦外して丁寧に清掃してみたり…。
で、最後の手段として、エアフィルターを外した状態でスロットルを開けて吸気弁を開放し、ソコからKURE−556を燃焼室内に吹き込んで、無理矢理エンジン始動時の呼び水的にしてしまうという方法をとったコトもあります。コレはハッキリ言って効果テキメンです。

ただ、本当はこのモデル「エルゴスターター」なる装置がついていて、本当は1/3の力で引いてもスプリングの力で十分かつ最大限の回転を得られるコトになっているのですが…。
本当、なんでも経験がものを言いますね。バカ力だけじゃダメなんだろうな…って気づき始めてます。ようやく。

かくしてようやくエンジンをかけたチェンソーを、暖気を兼ねて現場まで運んでいきました。
今日は親父の軽トラです。

(この後、現場でチェーンを調整しようと思ってエンジン切ったら、また大騒動して始動するハメになった場面は割愛します)

チェンソーのエンジンさえかかったら、後は伐りまくる!

さて、現場の様子はこうです。
母から「木を切って来い」と言われるコトは、日頃まずありません。
今回は、ウチが所有する山に生えている雑木が、少々道路の方にせり出しすぎてて、自動車の往来に迷惑かけているから良い具合に整えときなさい、という指令だったワケです。

今回は 木こり として地域貢献します!

というわけで、Beforeがコチラ↓

ちょっとわかりにくいですが、葉っぱや枝がモジャモジャと道路の端辺りまで出てきていて、大きめのミニバンや、配達トラックなんかは接触してしまいそうです。

基本的に雑木ですし、幹の径も小さいので、私のチェンソーでも伐倒自体はそこまで苦労はしません。斜面にせり出すように生えているので、丁寧に受け口を切らなくても、ガイドバーが食い込んでニッチもサッチもって状況はあまりありませんでした。
いかんせん足場が悪いのと、竹やツルが邪魔をして、チェンソーを取り回しにくいのが大変でした。

ほとんど車の通らない、住んでいる人の生活のための道路のようなモンですが、親父には下で待っていてもらって、安全確保と伐倒した雑木の撤去をしてもらいました。
そのくせ1度、危うく親父の上に切り倒しそうになるバカモンが私です。

良い天気でした。汗を拭って見渡すと、春を待つ時期の風景でした。
子供の頃、新学年に思いを馳せながら、秘密基地を作ったり、探検したり、それこそ小鮒釣ってたコトを思い出す、田舎の風景です。

バッサバッサとひたすら伐り落としていきました。途中でチェンソーに給油と、人間に給水です。

これでもか!ってくらい竹に巻き付いた…コレは「木」…?「ツル」…?

Before After

さァ、だいたい作業終了です。ココで作業前後を見比べてみましょう…。
だいぶスッキリしましたし、クルマに干渉するようなコトはないでしょう。
しかし親父曰く「こうなると今度は、もう1段上が気になるのォ…」だそうです。ソレは次回にしましょう。

幹が太めの雑木は、40cm程度の長さに切って、薪にします。
ココには写っていませんが、太めの木を一生懸命切っていたら、親父に
「オイそりゃハゼじゃないか? 葉っぱがひとつもついてなかったろうが。」
と言われ、薪にするのは断念しました。私たちは注意して燃やすコトができても、息子がうっかり触ってカブれてはオーゴトですからね…。

枝葉の部分は、焼却処分です。トップカーで運搬します。

実は、木の枝葉と併せて、この場所に起きている深刻な問題は、シカによる土砂崩れです。
ちょうど獣道ができており、この数年で増加したシカが毎晩のように行き来するので、斜面が崩れてきました。これによって道路に山の土が迫ってきて、通行しづらくなっているのは確かです。

崩れた土砂や葉っぱが、竹の根でネットのように受け止められています。
コレをシカが踏みつけたり、強い雨が降ったり、何か衝撃が加わると斜面の下までドシャーっと土砂崩れするワケです。

シカが里に降りてこないような適切な頭数管理、当面の狩猟圧、大切です…!
今回の作業が良いリハビリになりましたので、また朝の見回りを再開し、猟師としても地域貢献したいと思います。