1. TOP
  2. まちづくり
  3. 備忘録 谷上プロジェクト ChatWork 山本さんとの会話から「地元を客観的に見ること」

備忘録 谷上プロジェクト ChatWork 山本さんとの会話から「地元を客観的に見ること」

INDEX

  1. 井の中の蛙 大海を知らず
  2. ちょっと長くなるけど、自分の話
  3. 井の中の蛙 大海を見て井戸を知る
  4. ソコ行くと谷上プロジェクトは…

2018年3月18日、ChatWork 山本CEO とお会いさせていただく機会があり、お酒を飲みながらとても濃いお話ができました。

それ以来、通勤中に車を運転しながら、家族が寝た後ボーッとしながら、その時に得たヒントのようなものや、会話の中で再発見したことを反芻するように思い返しており、備忘録として記事に残しておこうと思いました。

井の中の蛙 大海を知らず

井戸の中の蛙が、井戸が世界の全てではないことを知るためには… 井戸の外に出てみなければなりません。海まで辿り着いてようやく、「こんな広い世界があった…オレの住んでいた井戸ってなんてちっぽけだったことか…」と知ることができます。

このことわざの大方の解釈はこんな感じでしょう。「現状に満足するなよ」みたいな。

山本さんは、シリコンバレーで5年間、スケール桁違いの大志抱きまくり、チャレンジしまくりの猛者とシノギを削り合う中で、日本の外から客観的に日本社会を見つめ、帰国してから何でもある日本で何ひとつ不自由のない生活になったにも関わらず閉塞感や不平不満の渦巻く環境に違和感を覚え、今の日本に決定的に足りないのは「変化を求めるマインド」だ、と気づきました。

ちょっと長くなるけど、自分の話

私は、中学校まで地元で過ごし、田舎コンプレックスを抱えていました。学校帰りに買い食いする店もなければ、小学校まで2km、1番近くの同級生の家まで4〜5km離れている、中学生は強制ボウズ頭、クルマもそれほど走ってねェオマワリ毎日ぐーるぐる、っていう生活。TVで見る のび太やカツオは空き地で野球をしたり、駅までお父さんを迎えに行ったりしてる。クリーミィマミの実家が クレープ屋 という設定に 死にたいぐらいに憧れた花の都大東京 を感じるほどでした。

それで、とにかく「町民」から「市民」になりたくて、寮のある高専に進学し、15歳で家を出たワケです。バイクのエンジニアになりたいという後付けの理由をつけて。

そんなんですから学校の成績は悪く、理系男子としてのコンプレックスは全開。代わりに英語が得意だったので、調子コイて外資系メーカーの研究開発セクションに挑戦し、なんと就職できてしまい、神戸市の本社で採用。

生産ラインの開発のためにお隣り明石市の工場に出向という立場で1年間、英語の研修OJTを受け、担当する工程も決まっていよいよコレから実験バリバリして生産ラインのユニット創るぞ…というところで見事にリストラ。

それじゃ思いっきり凹んだし、真実の愛でも見つけるか…って思って、ピンク色のワゴンで男女7人世界中を旅する番組に応募するも落選。

神戸まで行ったし、ソコソコ面白い世界の大企業の世界も見た。でもまだ本当にこの目で世界を見てきてない…と思ってワーキングホリデー制度を利用してオーストラリア・メルボルンに1年間住んでみて、語学学校にも行かず1年バリバリ日本食材の卸し営業の仕事を経験して、もうちょっと続けてみたいな…と思うも就労ビザが下りずに断念。

じゃぁワーホリは「人生は旅じゃ」と思う1年だったし、というコトで旅行会社に就職し、修学旅行やホームステイに携わり、自身もホームステイの添乗で2週間のアメリカ・ワシントン州スポケーンの家庭でのホームステイを2年連続で経験し、「アダプション」で普通にベトナム出身の孤児を2人家族として受け入れていたり、お父さんが夕方YMCAローラースケートに連れて行ってくれたり、終業式の後で先生 vs 生徒のバスケが行われたりする生活を体験しました。

その結果、「世界は面白い。でも地元が一番好き」という結論に至り、結婚して実家の隣にログハウスを建てて、狩猟釣り薪ストーブBBQガーデニングを楽しみ、家族近所の人と仲良く暮らす生活こそが自分の落ち着く場所なんだと気づいたワケです。

井の中の蛙 大海を見て井戸を知る

ことわざに戻りますが、私のパターンって、井戸の中の蛙が海まで出て行って、「海って広いけど…しょっぺーな…」とか「珍しいエサもいっぱいあるけど、オレも喰われちゃう可能性が高いな…」ってコトを知って、「オレは井戸から見上げる丸い空青さが好きだ」とか「サンショウウオの爺さんの話をのんびり聴くのが好きだ」とかってコトに気づく、みたいな話じゃないかな、と。

コンプレックスを抑えてずーっと地元に生活していても、きっといつまでも悶々とし続けてたんだろうと思うんです。世界を見てみたい…田舎を飛び出したい…と。

学内ロボコンの司会をしたコトや、夜中に寮を抜け出して行ったモスバーガーや、フィリピンやドイツの同僚と生産ライン開発の問題について話し合ったコトや、尼崎のビール工場跡地でのインラインホッケーの試合や、寿司と酢豚が並んで売られている店で寿司海苔を売ったコトや、電車の中で「大麻の匂いを嗅いでみろ(そして買え)」と迫られたコト…

それぞれの場面で楽しかったコトを今の生活に取り入れたり、日本・世界各地で目の当たりにした考え方やカルチャーを今の生活を楽しむエッセンスとして取り入れたり。

ソコ行くと谷上プロジェクトは…

日頃あまり意識したコトはありませんでしたが、やっぱり「1度飛び出してみる」「外から客観的に地元を見つめてみる」っていうコトは、将来地元に帰ってきたいと思っている人にこそ大切なコトなんだと思います。

思い込んでただけで、本当の自分の居場所は海外にあった…!! って可能性もありますしね。

谷上プロジェクトが日本のシリコンバレーになる、っていうコンセプトは、そういう意味で非常に有効で、国内にいながら、日本中・世界中のイノベイティブな人と交流したり議論したりすることができて、もちろんその中に「大麻を売りつけてくる」みたいな余計なノイズがない。良い刺激と知識やスキルだけ獲得して持ち帰るコトができるんだな…と思います。
(余計なノイズもあったほうが、人間に厚みが出るんだろうけど、それは極端な話、プライベートな旅行でだって遭遇できるもんね…)

アレ… まとめたつもりが、こぼれちゃったコトがたくさんあるな…。