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罠にかかったシカ

帰宅すると、息子が興奮気味に、「きょうね、あの はこ にね、しか がはいっとったんよ! じぃじ とね、みにいったんよ‼︎」と報告してきました。

「あの箱」とは、家の近くに自治会長が設置した箱罠のコトで、今期は違う場所でシカ1頭にシシ3頭、年明けに今の場所に移してからシシ1頭を捕獲しています。自治会長は罠猟師で、猟師としては私と同期、つまり今期デビューの新米というコトになります。

息子の話によると、その罠に今日シカが入っている、と。そしてソレを私の父と見に行った、というコトですね。
息子は私にも見せたいらしく、一緒に見に行こうと誘います。

逃げ場のない、明日殺されるシカの絶望的な姿を興味本位で見物に行くコトは悪趣味だと思います。決して好んでするコトではない。
しかし、根負けして見に行くコトになりました。

 

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ウッ…結構デカいオスのシカだ…

 

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とても長くて立派な角です。結構なベテラン。

 

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霧の漂う中、必死で逃れようとしていました。

 

怒りにも悲しみにも、絶望にも見える表情です。

 

息子がボソッと、「しか かわいそう…」と呟きました。

「そうだな、でもお前が食べてるお肉やお魚も、こうやって一生懸命生きていた動物や魚からとられてる。食べ物をいただくというコトは、命をいただくというコトだな」
自分に言い聞かせるように息子に話しました。
息子は何も答えませんでしたが、何か感じたようでした。
「しかは、あばれて あの はこ を こわしたら、 にげられるんやね」
と、帰り道で言いました。あのシカの運命を悟って不憫に思ったのだろうと思います。
その一方で、「あの しか、 もう こうじょう にもっていかれたかなぁ…」と気にしていました。なぜシカをジビエセンターに持って行くコトを知っているのか…!? 子供は私たちの会話を、私たちが思っている以上に理解しているものです…。
仲間が捕らえられたというのに、近くの田んぼでは、悠々とシカが闊歩していました。
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山へ帰っていく集団、これから出てくる集団、朝まで大賑わいになるのかしら…と思うと、「この辺りの人口よりシカの頭数の方が多い説」、当たっている気がしてきます。
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