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世代を超えて意見を交わす。9/23 豊北地区まちづくり協議会 ワークショップに参加しました。

INDEX

  1. 豊北地区まちづくり協議会主催のワークショップ
  2. めくるめく、ワークショップのはじまり
  3. 第1ラウンド「地元に残したいもの・変えていきたいもの」
    1. 他のメンバーから出された「残したいもの」
    2. そして、「変えていくべきこと」
    3. 意見をクラスタ化してみると…
  4. 第2ラウンド「理想のまちづくりのテーマと実現のために必要なこと」
    1. 生活必需品を確保できるまち
  5. 各班のまとめ・発表

豊北地区まちづくり協議会主催のワークショップ

「豊北地区まちづくり協議会」というのが、コレが実は過去にも当ブログの記事にも登場してまして…

まちづくりってナニ!? 地元の「新春放談会」とやらに若手代表で参加したら凹んだ話

その中で私は「行政からの押し付けではない、地域住民によるまちづくりのために日々活動している団体」と説明しています。(豊北地区まちづくり協議会公式ホームページはコチラ
イヤ、この 新春放談会 の時にはあまりにも高齢化の進む“まちづくり”の現状、若い世代の無関心っぷりにショックを受けていましたね…。記事も若干ヤケクソ感が見えます。
しかしこの数ヶ月、視野を町レベルまで拡げてみると、同世代や若い世代に熱い人がとても多いコトが分かって、むしろ前向きな気持ちになってきています。

今回私は、「童拳坊主」代表として参加したのか、「下関商工会青年部豊北支部」のメンバーとして参加したのかハッキリしませんが、なにしろ 豊北まちづくり協議会 から直接ご招待のお手紙をいただきまして、これまでの経緯やこのワークショップの趣旨なども理解しきれていないまま、ノコノコやってきてしまった、というところです。

主催者側も “そもそも「ワークショップ」という言葉が目新し過ぎて、参加者が事前にイメージできないかもしれない” と心配したのか、招待のお手紙にはご丁寧に「ワークショップとは」という説明資料が数枚入っていて、このイベントがいかにわが町にとって画期的なものであるのかを示しているような気がしました。

めくるめく、ワークショップのはじまり

会場には、思った以上に若い方の姿が多く、商工会青年部のメンバーの他にも、町内で働いておられる方や、子供の将来を真剣に考える保護者の方や、豊北高校の生徒なども見受けられました。そしてパワフルなベテラン世代もいて、ワークショップ開始前からワイワイと賑やかで、強いオーラを感じました。

コーディネータは 下関市立大学 の 菅 正史 准教授 で、助手として学生も2名来てくれていました。

まちづくり協議会 活性化部長 の 恒冨さんのご挨拶に続き、コーディネータからワークショップの進め方の説明があり、アイスブレイクからワークショップがスタートです。

アイスブレイクでは、いわゆる「他己紹介」が行われ、メンバーのことを知り合いました。
私が所属したE班は、市議会議員さんと、その高校の同級生という女性が2名(おふたりとも海の近くにお住まいで、介護関係の仕事をされておられるようでした)、他にやる人がいなくて自治会などのたくさんの役員を引き受けられている男性が1名(お仕事は引退されていて、お孫さんが可愛くて仕方ない)、私、そして息子、という構成でした。世代やバックグラウンドがやや偏ってはいるものの、既に知り合いの方たちもいる、私の息子がお爺ちゃん・お婆ちゃん世代を和ませている、という雰囲気は、それぞれに遠慮なく意見が出せそうだな、と感じました。

市議会議員さんからご推薦いただき、私がE班のリーダーとして、メンバーの意見をまとめ発表する役割を担うことになりました。

第1ラウンド「地元に残したいもの・変えていきたいもの」

最初に、各メンバーの考える「地域で大切にすべきもの」「残していかなければならない」と考えていること、また逆に「変えていかなければならないこと」や「より良い町にするために敢えてなくした方がよいこと」を出し合います。これは例えば「美しい自然は残したい」であるとか、「凝り固まった考え方は変えていかなければならない」といったイメージで、付箋紙1枚にひとつずつ、キーワードを書き出していきます。その詳細や理由は、後で大きな模造紙に付箋紙を貼り付けながら口頭で補足していくことになっています。

E班では、「残していきたいこと」=青信号の色 “緑色の付箋紙”、「変えていきたいこと」=赤信号 “ピンク色の付箋紙” にそれぞれ書き出していくことにしました。

息子もアイデアを出しています。

ちなみに息子の残したいものは、

・ろうそん (= ローソン、コンビニ)
・じゅんてんどう (= ジュンテンドー、ホームセンター)
・じどうはんばいき (= 自動販売機)
・ごみばこのこす (= ゴミ箱を残す、自販機と一緒に設置してあるゴミ箱のことだそうです)

で、最低限便利な生活をしたいということなのかな…?と推測しました。

他のメンバーから出された「残したいもの」

メンバーが思い思いに意見を言いながら、模造紙にそれぞれの付箋を貼り付けていきます。

・山や海の自然
・滝部温泉(最近営業を終了した温泉・宿泊施設)
・公共交通機関(路線バスなど)
・各地区の小学校(町で1校に統合が計画されている)
・スーパーマーケット、小さな商店
・各地区のお祭り
・人の良いところ、コミュニティ

などの意見が挙げられました。息子と同様、やはり日々の買い物ですら困難になりつつある、特に高齢になるほど困っている、という現状が現れています。

そして、密かにここに世代によって意見が対立しているものが挙げられています。それは、

小学校の統合について

です。これは、私も含め実際に子供を小学校に通わせる親世代は統合を望んでいる人が多いです。その理由は様々ありますが、私の場合、言葉は不十分ですが、息子には「当たり前の」小学校生活を送って欲しいと思っているからです。少人数であっても、体育で団体競技をして、クラスの中で係などの役割分担があって、授業でディスカッションが成り立って…という6年間を過ごして欲しいと考えています。
高齢者の方に統合を反対する声が多いと聞いています。その会議の場に参加したことがないのであまり突っ込んだ話や詳細な話ができないのですが、どうもノスタルジックで感傷的な理由を述べられる方が多いとか…。その場に出席した同世代の方には、全く理由として納得できるものではなかったそうなんですね。

保育園・幼稚園が町内に2ヶ所しかないのに小学校が6つもあって、子供たちは卒園したらバラバラになり「たった1人のクラスメイト」みたいなドキュメンタリー番組みたいな小学校生活を送る、そして中学校は町内で1つに統合されているのでひとつに集まる。

そんなドラマチックな状況を多発させなくても…

と思うワケなんですが、ここは まちづくりワークショップ の場ですから、基本的にメンバーの意見に反対はしません。

そして、「変えていくべきこと」

今度は変えていくこと、無くすことを挙げていきます。これはなかなか絞り出すのが難しく、発言するにも少し遠慮がちになることが多かったようです。

・閉鎖的なマインド
・インフラ環境
・山や海の自然を必要に応じ

といったニュアンスの意見が出ました。高速インターネットやケーブルテレビ等のインフラ環境の改善は、今ないものを改善していく、という意見ですが、その他については「残していきたいこと」と表裏を成す、というものが多く見受けられました。これは例えば「美しい山の景観を残すために、敢えて自然に手を加えなければならないところもある」という側面であったり、「昔からのコミュニティを大切にしたいが、Uターン・Iターンを受け入れるためには凝り固まった閉鎖的な雰囲気ではいけない」といった意見です。

意見をクラスタ化してみると…

こうして出てきた意見を、「これは自然に関するもの」「これは人の気持ちについて」といった具合に、関連したものをブドウの房のように集めていくと、「生活環境については、コレを残していきたいが、そのためにはこういったところを変えていく必要がある」というように、個別の意見がグループの意見としてまとまり、ストーリーが見えてきます。なかなかまとまりにくいポイントは、それぞれに思うところが異なっていたり、あるいはメンバーの関心が薄かったりする点ということが言えます。

模造紙にできたグループを、視覚的にわかりやすいように太めのマジックで囲みつつ、グループの意見のストーリーを声に出してみて、確認していきます。

第2ラウンド「理想のまちづくりのテーマと実現のために必要なこと」

続いて、たった今まとめたグループの意見の中から、実際にまちづくりに反映させたいテーマをひとつ選び、実現のための具体的なアクションを考えていきます。本来はふたつのテーマを選ぶ予定だったのですが、第1ラウンドが盛り上がり過ぎて時間が少し押し気味になってしまったので、テーマはひとつとなりました。

ちなみにこの時点で我がE班のメンバーは、第1ラウンドのディスカッションの興奮が続いていて、未だに自由にいろいろ語っている状態。息子に至っては小学生の友達ができて、外へ飛び出して遊びに行ってしまう始末。

話に割り込むようにして、E班として最も重要視したいのは、高齢者が日頃の買い物すら不自由という環境だろう、ということで「生活必需品を確保できるまち」をテーマに、具体的なアクションを考えていくことになりました…が、ここでもとにかくそれぞれの思いがモリモリ出てきて、なかなか具体的なアクションにたどり着きません。ひたすらテーマを膨らませたり掘り下げたりしているような状態です。時々、あ、コレはアクションかな…と思うところを私が勝手に拾いつつ、付箋に書いては貼り付けたりしてはいますが…

完成形として理想的な形にはなっていないかもしれませんが、アクションを考える一歩手前の、テーマを明確にしていく段階としてはうまくいったのかな…というところです。

生活必需品を確保できるまち

先ほどのE班 意見モリモリ状態の時に、隣町にこの数年でスーパーやドラッグストアなどがどんどん新しくできている地区があり、生活必需品を確保できるまちのロールモデルとして、わが町と比較してみよう、という流れになったんですね。そうすると、

そのエリアには温泉街があり、水産加工や船舶無線や縫製などの工場もあり、仕事がある。わが町にはない。

下関駅からのJRが、その地区の駅まである。わが町まで来るためにはほとんどの場合乗り換えが必要で終電も早い。よって下関市街地に仕事がある場合でもわが町には住みにくい。

といった違いが見えてきて、そこから、生活必需品を確保できるまち をつくるためには

・人を増やす
・仕事を増やす

という2つのテーマに分割して考えることができる、ということになりました。
またそこから紆余曲折を経て、
(その“紆余曲折”の中にも興味深い話題があったので改めて記事にしてみたいのですが…)

・人を増やすためには、空き家や、学校•温泉などの空き施設を活用した住環境の整備が重要

・仕事を増やすためには、高速なインターネット回線やケーブルテレビ等の情報インフラ整備が重要

という結論に至りました。在宅でもできるIT関係の仕事やインターネットを活用したネットショップといったビジネスを快適に行える環境を整えることで、都会に住まずとも、生活費の安い田舎で、しかも便利なまちづくりを進めることができるのではないか、という考えです。

他にも竹をパウダーにしたものが燃料や断熱材など、複数の用途で活用できるという、田舎ならではの新しいビジネスチャンスに繋がる話も飛び出して、なんだかワクワクしました。

各班のまとめ・発表

最後に、各班ごとにまとめを発表していきます。
我がE班は、先述の 生活必需品を確保できるまち について、私が饒舌に、持ち時間を大幅にオーバーして発表してしまいましたが、他の班が割とコンパクトにまとめておられるところが多く、助かりました。

やはり 滝部温泉 や 小学校の廃校舎 を活用して まちおこし というイメージを描かれた班が多かった印象です。
豊北高校の生徒も、かなり上手に意見をまとめていて、若くて勢いのある、自由で楽しいアイデアが盛りだくさんでした。

第2回ワークショップは、11月25日(土)に予定されています。
可能な限り参加したいと考えています。