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私と息子の好き嫌い

私は幼い頃、「ホウレンソウを食べるとポパイのように強くなる」と言い聞かされて、無心にホウレンソウをガッついたクチです。未だにベーコンとホウレンソウのバター炒め、コーンも一緒に、みたいなのを見ると、食べないと勿体無い、せっかくのパワーアップのチャンスを‼︎ という気持ちになります。ホウレンソウこそ緑黄色野菜の王様‼︎という強い刷り込みが働いています。

一方で、幼い頃からキュウリだけは全く受け付けません。青臭さ、歯ごたえ、瑞々し過ぎる感じ、3拍子揃って私には不快です。ピーマンとか、セロリとかと違って、なかなか理解してもらえない偏食なので「バッタの味がするから」と伝えて、何人の外国人に「…それで、日本人はどのくらい頻繁にバッタを食べるの…?」と訊かれたコトか…。もはやネタのレベルです。

ソコいくと息子は、生まれてからしばらく、複数の食物アレルギーがあり、結構な種類の食物を制限されていました。最も深刻だったのは卵で、少しずつ口にする量を増やしていくメソッドで、今ではマヨネーズ on ブロッコリーをこよなく愛する、父親譲りの食性になってきました。
しかし私と大きく異なる点は、食に対する執着の低さです。私はコレに閉口してしまいます。私は、アイスクリームやジュースを「今はいらない」と言う子供がいるの!? という感覚ですが、息子が正にソレです。
冷蔵庫にヤクルトが1ダース入っているコトを知っていても、水や麦茶を飲みたいと言います。

そして興味深いのは、幼いなりに、味覚が発達すると食性が少しずつ変化していっているコトです。
かつて息子は、朝食に 中華蒸しパンのマーラーカオを食べさせようと準備しても、表面にあしらわれたレーズンだけをつまんで食べて、エネルギー価の高い、油の効いた蒸しパン部分はほとんど食べようとしませんでした。
ところが最近は、蒸しパン部分を寝起きでも2つ平らげる代わりに、レーズンを指でつまんで取り除き、私に食べさせようとするのです。そして反対に、先述のブロッコリーのように、一部の野菜は積極的に摂ろうという意識を感じるようになってきているのです。

息子は野菜やヘルシーな肉料理など、いかにも健康的なメニューを口にすると、私に力こぶを作って見せ、カッチカチやぞ的なやりとりをやりたがります。そして直後に私に力こぶを作ってみろと言い、ソレを触って、現実の力強さには関係なく、私をクサすコトに相当な喜びを感じている様子です。先日などは、私の力こぶを「ティッシュみたい (に柔らかい)」と言い放ってみせました。この野郎ティッシュだと!? という感情を抑ながら、確かにトレーニングできてないワケだし…と、変に凹む結果になったコトは言うまでもありません。

ちなみに妻はピーマンが嫌いなので、家族揃った夕食を、誰もがニコニコと囲んで全てのメニューを仲良く公平に分け合い、平和な会話や指遊びを繰り広げるという状況はもっと先になるかもしれませんね。